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2023年 2月の公開
一月の公開句集に訂正を加えました。
「沢木欣一集」を公開致しました。
「氷室叢書」のご注文は、青磁社 https://seijisya.com こちらへ。
お待ちしております。
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沢木欣一集
昭和55年(1980)
自註現代俳句シリーズⅡ期17
社団法人俳人協会
自分の作品を自選するのはしんどい事である。何となく気が重いのと忙しさにまぎとめるのが遅れた事をお詫びしたい。昨年の十月に私は満六十歳とな四十年となった。還暦の記念になって望外の喜びである。お世話になを申し上げます。
(沢木欣一) -
港のある街 宮沢淑子句文集
令和4年(2022)発行 遺句集
氷室叢書
青磁社
二〇二〇年の句には次の句があり、旅にまたでることを楽しみにして夢にまでナイルが流れていたようです。
昼寝覚夢にもナイル流れをり
この夢の思いが実現することなく、淑子さんは旅立たれました。この『宮澤淑子句文集』は、淑子さんが出版を意図して自ら作成しつつあった原稿をもとに、停車場句会のメンバーが協力して完成したものです。
(尾池和夫 氷室主宰) -
宇治川 三和幸一
令和4年(2022)発行
氷室叢書
青磁社
小春日の宇治大橋を渡りけり
花ふぶき川を背にして先陣碑
爆心と覚しき辺り落葉踏む
宇治川は氷室俳句会発祥の地である京都市伏見区石田の南の辺りから、流れを西へ変え、やがて桂川、 鴨川と合流し、木津川とも合流して、淀川として大阪湾へ流れていきます。
滋賀県の琵琶湖を含めて広大な淀川水系ができあがっており、その中に三和幸一さんの吟行地があって、この句集の中心を構成する句が生まれました。
(尾池和夫 氷室主宰) -
コンパス 井深信男
令和2年(2020)発行 遺句集
氷室叢書
青磁社
荒ぶる海なだむる如く山眠る
重ければ海に入りたる鯨かな
海鼠なれば水底の外知らぬらし
大空をなほわがものに鷹一羽
この続きは、天国でしっかりと詠み貯めてくださいと、声をかけたくなるような句集ができました。お目にかかったのが、つい昨日のように思い出される、そのような句集なのです。
この句集の一句一句を、俳句を志す後進の方々が学び、この心意気を継いでくれることを、私は切に願っています。
(尾池和夫 氷室主宰) -
句集 広島
昭和30年(1955)8月6日発行
句集広島刊行会
日の暑さ死臭に満てる百日紅 原民喜
廃墟すぎて蜻蛉の群を眺めやる
秋の水焼け爛れたる岸をめぐり
このような仕事をすることが、果してどれだけ平和将来のために役立つか、それを問うことはしばらく待つていただきたい。よしんば早急な成果は望めないとしても、ただそれだけの理由で、こうした役割が、放棄されてよかろうはずはない。あらゆる場所で、あらゆる形で、ひとびとの「はかない努力」はくりかえされて来たし、今後もまたくりかえされなければならない。そのような捨石の累積の頂点で、すべての悲願切望は成就するのだ。
(「おわりに」より)
11月の公開
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牡丹 細見綾子
平成8年(1996)
角川書店(第十句集)
結社「風」
吾亦紅ぽつんぽつんと気ままなる
平成三年より平成七年にいたる作句のなかから三五四句を選び一巻としました。八十四歳から八十九歳までの五年間のもので、『虹立つ』に次ぐ 第十句集になります。
句集の題名を『牡丹』としましたのは、牡丹の句が多いせいで、これは故郷丹波の庭から四十年前に移したもの、およそ八十年間かかわって来ました。毎年見ている牡丹にいろいろな思いが重なっております。(細見綾子) -
藹藹 三田きえ子
平成23年(2011)
四季出版(第七句集)
「萌」主宰
ほのぼのと臥龍の松の初日影
傘寿を祈念して、平成18年~平成21年までの作品700句の中から352句を自選して、第七句集『藹藹』としました。これからはさらに連中との絆を深めつつ、
和気藹藹と句作の道を歩みたいと願っております。
(三田きえ子) -
然々と 伊藤伊那男
平成30年(2018)
北辰社(第三句集)
「春耕」同人 「銀漢」創刊主宰
鱈割いて貪婪の腹さらけ出す
泣く孫を預かり秋思うやむやに
俳句は人生の変遷を映す鏡だなと思う。句集名『然々(しかじか)と』は「斯様(かよう)」「斯(か)く斯(か)く」と同類で、その後私はこんな風に生きてきました――、という意を籠めたつもりである。
(伊藤伊那男) -
晩緑 行方克己
令和元年(2019)
朔(さく)出版
「知音」創刊主宰(二人代表制)
題字:文徴明「行書千字文」「行書緑樹帖」より
(国立国会図書館デジタルコレクション)
この度の句集名は「新緑」に対しての「晚緑」というほどの心である。
もし、私の作品が人の心に届きにくいとしたら、それは私の表現力が至らぬためである。心して表現力を磨くことに励みたいと思う。
(行方克己) -
歩度 千田一路
平成30年(2018)
角川文化振興財団(第六句集)
「風港」主宰
前句集で、「計らいに捉われない自在な俳境」をと述べている。その思いに変わりはないが、本句集を編みながら、「歩度」を始めとする「歩み」や「足」に関することに触れた作品が、人称を問わず多い点に改めて気づいた。加齢が伴う自省からの無意識なこだわりだろう。〈自在〉から〈歩度〉へ、本意の向くところで句集名とした。
(千田一路)