逸蒐巻 いつしゅうかん
推薦図書
-
瓢鮎図 尾池和夫 (「氷室」主宰)
2017(平成29) 第二句集
角川文化振興財団 装丁:間村俊一
今、日本列島全体が活動しています。日本列島の自然のもっとも基本的な現象は、地震と噴火と津波
であると、私は思っています。それらが日本の大地を形成し、その大地に人びとは暮らしながら歴史
と文化を育んできました。これからも、私はその大地の自然と文化を見つめながら研究対象とし、また俳句に詠んでいきたいと思っています。
元朝を一周したる地球かな
初景色火の根一つの富士箱根
節分の鬼断層を跨ぎゆく
(尾池和夫)
ニックネーム:なまず
京都大学元総長・静岡県立大学学長 -
新田祐久集
1986年(昭和61)
自註現代俳句シリーズ第Ⅴ期24
公益社団法人俳人協会
「風」四十周年記念の年にこの『自註句集』が刊行される運びとなり、まことに喜ばしい。「風」 三百号記念の年に刊行した『白峰』より百五十句、「風」 四百号記念の年に刊行した『白山』より百四十三句、それ以後より七句、合わせて三百句とした。貧しい句だが抜き出して自註を付してみると、写真よりその時の状景があざやかに思い出される。俳句の一つの特徴を思った次第である。今後一層の努力をして、「風」五百号記念の昭和六十五年に第三句集を刊行したいと考えている。
(新田祐久) -
細見綾子秀句 林 徹
2000年(平成11)
翰林書房
先生が昭和四年、満年齢二十二歳で俳句を始めてから平成九年、九十歳の生涯を終えるまでに刊行した十冊の句集から、私の好みで選抜した百九十五句で、細見綾子俳句の素晴しさを一人でも多くの人に理解して頂きたく、出来るだけ平易に、しかも語り過ぎて読者の鑑賞の妨げにはならぬよう気を配りながら書いたつもりである。人に理解して頂こうと思って書きはじめたことではあったが、書いていて初めて私自身が気づいた綾子俳句の深さ美しさはどれほどあったか知れない。
(林 徹)